黒色哀愁

学校案内には載っていないICUをお見せします。

はじめに

黒色哀愁は国際基督教大学ICU)に関して、あまりスポットライトが当たらない(当てられない)物事を扱うことで、読者のICUでのキャンパスライフの役に立つ情報を提供したり、好奇心を満たすことを目的とするブログである。

ICUのイメージと言えば美しいキャンパスで国際色豊かな教員や学生が賑やかにキャンパスライフを送り、アメリカ式リベラルアーツ・カレッジを背景にした少人数教育で学生満足度が高く、日々学習と議論に勤しんでいる。近年はスーパーグローバル大学に指定され、洗練された英語教育を実施することでも知られており、世界で活躍する人材を多数輩出している…といったところだろう。

もちろん、こういったイメージはある側面では正しい。大学当局や同窓会、各種学生団体による情報発信を通じてICUの輝かしい学生の姿を捉えることは難しくない。そして、こういったイメージが流布することによって、各々がイメージに適合しようという働きが生じてイメージに適合した群像が再生産されていることも事実だ。

こうして輝かしい側面を追いかけていられて、そのようにあることが出来る時はまだ良い。しかし、そうではなく必ずしも明るくない、というか暗い側面に対峙した時はどうすれば良いだろうか。実際に、適応することが出来ずに何度も必修科目を繰り返す者がいれば、休学や中退、他大学再受験や編入を選ぶ者もいる。そして、時には命を落としてしまう者も存在する。

以下の文章は、昔存在していたという学内新聞の「学生の自殺」に関する記事である。

自殺を考えたことがある、もしくは自殺を図ったことがある学生の中には、いわゆる“ローグレ”(Law Grade)による退学勧告を受けた者も少なくない。もともと鬱傾向にあるため成績不良になるひともいれば、成績不良で鬱状態になるひともいる。西尾先生は毎学期三十人前後の除籍対象者との面談をするというが、面談中に涙を流し、胸のうちを明かすひともいる。その中で、線路に飛び込んだ、樹海に行ったことがある…などの話も聞くという。

国際基督教大学新聞 - ICUPress - Web News and ARCHIVES: ICUで、自殺を考える より引用

自殺という結末に至る者は記事にある通り多くはないが、自殺を含めた暗い話題は、多くのICU学生のキャンパスライフと地続きなのにもかかわらず、あまり語られてくることがなかった。黒色哀愁では筆者の見聞や公表された事実などから、必ずしも明るくはないブラックなICUの側面を紹介する予定である。